Atrae Tech Blog

People Tech Companyの株式会社アトラエのテックブログです。

営業10年目が技術チームに異動して思うこと

f:id:atrae_tech:20210318205820j:plain Greenで企画をしている谷口と言います。 機会をいただいたので初めて投稿させていただきます!

今日は、入社以来10年近くずっと営業チームにいた自分が、いきなり技術チームに移って感じたことを書きたいと思います。

チームの概要

まず、GreenはIT・Web系に注力した転職メディアで、月間100万PVくらいのサイトです。

実はもう15年近く運営しているサービスで、人も仕組みも三世代くらい入れ替わって運営されてます。 これを、業務委託を入れて大体7〜8人で運営しており、それまではエンジニアとデザイナーで構成されたチームでした。

ビジネスサイドとしてチームに入ったのは自分が初めてかなと思います。

異動の経緯

もともと会社としてもGreenとしても人数が多いわけではないので、それまでもいろんな形でコミュニケーションはありました。

企画の打ち合わせや飲み会で色々話す中で、「事業を伸ばしていく上で、開発の前線を一緒にやっていきたい」という思いがでてきて、異動することに決めました。

アトラエの場合、個人やチームの判断で物事が動いていくので、今回の異動についても、もともとのチームメンバーや事業の責任者と相談して、最終的に決定となりました。

3つの失敗

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当時の心理描写(ただのオフィスです)
意気揚々と異動していったは良いものの、当初は失敗ばかりでした。 今日はその中で3つお伝えできればと思います。

1. これまでの歴史を顧みず、本で読んだコトを持ち込んでしまった

チームに入っても、なにか仕事が用意されているわけではありません。 そもそもアトラエは各チームでやっていくことを決めていくのですが、自分が何ができるのか、チームメイトはおろか、自分もわかっていませんでした。 というわけで、なにかやれることを探そうと思って書籍を読み漁り、スクラム開発というものに出会います。

役割に飢えた人が知識と出会うと、そうです、それを盲信してしまう状態が出来上がるのです。

「これ、めっちゃいいやん!」と思った自分は、付け焼き刃の知識で、やれスプリントだプランニングポーカーだと、次々といろんなことを提案しました。 チームメイトがみんな優しかったので、快く応じてくれるのですが、自分の目的や「なにかやること」になってしまっていたため、実施しただけで終わってしまい、当然のように効果はでませんでした。

2. エンジニアを必要以上に特別視していた

営業畑にいた自分にとって、エンジニアを始めとするモノづくりをするひとは、「魔法使い」のような存在でした。 自分の知らない言葉を使い、世の中に無いものを作ってしまう、そんな存在に憧れと畏怖のような感情をいだいていたんだと思います。

そのせいで、仕様や納期について、フラットに議論スべきところを譲ってしまったり、モヤモヤしたまま意見が言えないこともありました。 今になって思えば、特別視することで、お互いに聖域を作ってしまっていたのかもしれません。

3. 質問できなかった

なんとか会話を理解できるようになろうと、書籍やサイトで勉強していたのですが、上記の特別視に加えて、自分のプライドもあって、わからないことがあってもなかなか質問ができませんでした。

簡単なことでもその場で聞けず、後で調べていたりしたことで、時間のロスもかなりあったような気がします。

失敗を経て

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当初のエンジニアのイメージ(この人達は社内に実在します)
そんな失敗を経て、学んだことを書いてみます。

開発を進めていく方法はチームの数だけ有る

当初自分がスクラム(のようなもの)をやろうとしてしまったように、整理された体系は説得力があり、やってみたいという気持ちにさせてくれます。

一方で、そのときに自分が見えてなかったのは、開発を進めていく体制や方法はそのチームの数だけあるんだということです。

開発理論や体制に関する説がたくさんある通り、どんなチーム・状況にも当てはまるようなものは無いと思います。 となると、そのチームに合った方法は自分たちで作っていくしかなく、当事者の納得感のあるものが、往々にして一番よいものなんだと思います。

そのチームにはそれまでの歴史があり、成功体験もあります。 自分に必要だったのは、それらを理解した上で、学んだことを取り入れる方法がないかを試行錯誤することだったんだと思います。

プロダクト作りにはいろんな役割がある

当初、コードを書けないとチームで価値を出せないんじゃないかという恐怖観念みたいなものがありました。 ただ色々とプロジェクトを進めていく中で、プロダクトを作る中では、コーディング以外にもたくさんの役割があることが理解できました。

仕様を決めることやテストはもちろんですが、曖昧な部分を詰める場を設定したり、後戻りが無いように資料をつくるなど、チームの外からでは見えなかったプロダクト作りに必要なことがありました。

それを知ってからは、大分楽になった気がします。

エンジニアは特別な人達ではない

最後に、誤解を恐れずに言えばエンジニアは特別な人達ではありませんでした。

当初こそ、やっぱり技術力(当時はコーディング能力だと思っていた)がものを言う世界なのかな、と思っていましたが、仕事をしていくに連れて、それだけではないことがわかりました。

計画を立てて実行していくこと、他人と協同すること、意思決定を繰り返していくこと、など、自分が営業で感じていた、仕事で大切なことと重なる部分もたくさんありました。

自分には魔法に見えていたモノは、多くのプロセスと努力によって生み出されたものだったし、魔法使いは、自分たちと同じように良いものを作ろうと葛藤する人間でした。

終わりに

最後に、自分からみたアトラエのエンジニアチーム像、みたいなものを書いてみたいと思います。 キーワードは2つで、「事業志向」と「チームやコミュニケーションが好き」ということかなと思います。

アトラエでは、各事業の人数も少ないので全員が事業の数値を理解して施策を考えたりしています。 その中で、議論をしていても、技術と事業のバランスを取れる人がとても多いなと改めて感じました。

チームやコミュニケーションについては、理想の会社を作る、というアトラエの理念に共感している人しかいないので、ある意味自然なことなのかなと思います。 気づいたら話し込んでしまった、みたいなことがよくあるし、そこからアイデアやコラボレーションが生まれていくので、今後も大切にしていきたい空気感だなと思います。

だらだらと書いてしまいましたが、チームを移って本当に学びが多く、とてもよかったなと感じています。 せっかくの学びをしっかりアトラエの強みにつなげていけるよう、いろんな人の橋渡しができるようになっていきたいと思います。