アトラエにてデザイナーとして従事している藤澤です。
入社は2013年にGreenチームに配属され、 Greenサポートチーム(一瞬で異動)、 ほとんどはGreenUIチームのデザイナーとして働きました。
途中、新規事業チームにいったりGreenに戻ったりしながらも、 2017年Wevoxの立ち上げ時期からWevoxチームで働いています。
気がつけば長い時間をアトラエのチームと共にしてきました。 これまでの体験のなかで、強いチームを考えたり、 感じたりして過ごしたことを書いてみようと思います。
良いチーム?強いチーム?
「あなたは、どんなチームで働きたいですか?」
こう聞かれたときに、どんな答えを伝えるでしょうか。 毎日がポジティブになるような過ごしやすいチームですか? それとも、切磋琢磨しながら目的を目指すチームですか?
私自身、理想のチーム像が元々明確にあった訳ではありませんでしたが、 アトラエのメンバーと共に時間を過ごすほど、チームで働くことの意義を感じました。 可能性を信じ、仲間を信じ、時にはぶつかりあって…。 「全員がどんな組織を作りたいか?」という話題で、時には朝まで話し合う。
そんな日々を経て、もともと自分自身が持っていた「真の正しさ」へのこだわり。 そして、アトラエのコアバリュー 「アトラエの当事者として、 未来を他人に委ねることなく、 自らの意志と責任で理想の組織を創ろう」 と、つながっていると思っています。
私自身は「強いチームを創りたい」という想いが明確にあります。 真剣に考え、行動し、壁にぶつかり、また考えて…を、 繰り返して今日までを創ってきたのです。
強いチームとは、全員が「目指したい目標」に対して、 信念を持ち、お互いを信じあい、支えあえるチームだと私は思っています。 だからこそ、そういうチームを創り続けたいと思うのです。
平成ど根性版チーム・アトラエ
今となっては100人を超える上場企業になり、多くのステークホルダーから応援されている組織となりましたが、未上場のアトラエは、少人数かつ全員がチームと言えるほど、全員の顔が見える社内体制でした。
事業外のことですら何時間もかけて意見を出し合い、 時には叱咤が飛ぶほどの全社ミーティングがあったり、悔し涙を流す場面もありました。 自らのちからで事業を大きくしたいという想いが溢れ出てやまないくらい、 勢いがあり余った小さな組織だったことを覚えています。
当時わたしは所属していたGreenUIチームですが、アトラエを支える唯一の事業でした。 そこで任された、成長につなげるための工夫や、長い時間をかけた議論を経て、 「チームが心を一つにできれば、なんだってできるんだ」と、心の底から確信できました。
そして、アトラエチームの全員が、より強いアトラエを目指して燃えていました。 その頃のブログを読んでいただければ、 わたしが如何に活き活きと働いていたのかが伝わると思います。
事業としては追い風、組織としては向かい風
昔から「アトラエに新しい事業を創るんだ!」と、社員全員で新規事業を考えるイベントを定期的に行っており、新規事業を考えていたうちに、明確に手ごたえを得たWevoxの前身「法人ドック(仮)」が生まれたのです。 しばらくしてWevoxが本格的に事業化することになりました。
Wevoxの立ち上げから少しづつ中途採用も増え、 あっという間に50人…100人と…メンバーが増えたのです。
当時はエンゲージメントという言葉すら浸透しておらず、この働きがいを組織の指標にするというコンセプトは「働き方改革」や「ストレスチェックの義務化」にという社会の波に乗り、今ではエンゲージメントといえばWevoxというくらい馴染んできたのではないでしょうか。
そんなWevoxチームはしばらく社内表彰も独占し続けるくらい、 熱量の高いチームのまま大きくなっていきます。 コロナ禍によるリモートワーク時代へのスイッチのなか、どんどんチームは大きくなっていく。 あっという間に「どうあるべきか」を、毎日顔を合わせて話をするということが難しく感じるようになる時代になってしまったのです。 ずっと隣にいたような感覚で働いていたアトラエにも、チームの変革期が訪れていました。
目的を明確にするだけで、チームは変われる
一定期間、Wevoxチームから離れていた私でしたが、 2021年10月に、再度Wevoxプロダクト改善チームに配属になりました。 その頃には70人以上の正社員メンバーだけでなく、 多くの業務委託メンバーもアトラエで働いている状態。 直近で入社したメンバーに至っては、話す機会すらないというケースもちらほら。
プロダクト改善チームに与えられた役割は、プロダクトを改善することと、依頼をこなすこと。 チーム人数は9名。社歴はほぼ5年未満。入社したばかりのメンバーが3名。 そして、社歴は長いものの令和版アトラエに全く追いついていないデザイナーのわたし。
このチームはこれまでの間、「とにかく改善をするために、目の前の業務を頑張る!」という状態で、何をどう頑張るのかが明確になっていないようでした。 そもそも依頼の量が多すぎる上に、基本受け身なので、価値を創るということに目標が置きづらい。 そして、配属の変更があり、今までチームを引っ張ってくれていたメンバーが居なくなってしまった!という状態でした。
「事業の価値を最大化したい!」と想いが溢れ出てやまないくらい熱量に満ち溢れた状態が強いチームになれるエッセンスだと信じているわたしは、この事実を受け止めつつも、まず何からはじめたら良いのだろうかと考え「全員が心から納得できる目標を絶対に達成する」という強い意志をもつことがまずは大事であると考えました。
インタビューや議論を経て「圧倒的にタスクを消化すること」をまず土台目標として掲げました。 この目標を目指すことで、まだアトラエ入社歴も浅いメンバーは、 依頼/機能実装をよりこなせるようになる上に、余白を持てるようになる。 そのために、とにかく行動量を追い、日々昨日の自分を超えていけ。そんな目標です。
この土台目標を達成したら、 全員で追える数字を掲げ、世の中に価値を届けられるインパクトの出せるチームになる。 という、メンバーが心からワクワクできるような目標を設定しました。
実務ゼロのスクラムマスター爆誕
ところでタスクの細分化とか、行動の可視化ってどう管理するのが良いのだろうか? 仕組み的には、最小単位まで分解したタスクをポイント化したら分かりやすいだろうか? そんなことを悩んでいると鶴(カタミー)の一声がありました。
「それってスクラムですよね?」
改めてスクラムを思い返してみると、そういえばそうだ。その通りだ! ここから、スクラムの道が始まりました。 スクラムの本を読み直し、スクラムマスターブックも購入し日々のバイブルとして読み込んだセクションをSlackでみんなにシェアしたり、チームにフィットするように当てはめる。 上手く機能するイメージが湧き出てきて、この作業は体験設計を考えるようで、とても楽しかったです。
そして、デザイナーという役割をほぼ放棄して、スクラムマスターを務めることになりました。 エンジニアチームにいる、ただのスクラムマスター。 自虐ではないですが、日々わたしは何もしていません…という枕詞を外せない時期もありましたw
アトラエWevox開発チームにおける、フィットしたスクラムは以下のようになりました。 毎日15分以内で終了するレベルのデイリーショートミーティング。 持っている役割・業務を達成するために、何をし、何をするのか。成し遂げる上での障害はないか。 常に「目標達成のために何をするのか」ということにメンバーの気持ちが向くように、ファシリテーションを心がけました。
また、発表内容はデイリースクラムも含め、メモをして、必要な対話の時間をセットする。 それ以外の時間では、スクラムを行う上で知っておきたいTipsを日々投稿してみたり、このチームが目標に向かって活力あふれる状態を目指しました。
その後、自分たちが持っていた依頼をこなしながらも、チームとして大事にしたい機能のリリースを役割分担して前に進めるチームとなりました。「今期は絶対に自分たちがベストチームだ!」と言えるくらい自信とやる気に満ち溢れたチームになっていたと感じました。 この経験から、難しいことや、小手先のテクニックは必要なく、やはり目標への納得感や、自分の興味関心との繋がりが、今日・明日の自分の行動に納得感を置けるきっかけなのだと確信しました。
強いチームにするために行った4つのこと
今私はWevoxでのGrowthHackersというチームにジョインさせていただいてます。 このチームは、わたしたちがもっているコンテンツやプロダクトの価値を、より多くのお客様に届けるための役割を担っています。
このチームではもうすぐ働いて1年が経ちますが、今までの経験を活かし、チームのキックオフやグラウンドルールなどにこだわり、対話や相互理解の時間を大事にしています。 振り返りも本質に向き合いながら真剣に話し合えることが、わたしにとってもやりがいを感じる時間になっているので、とてもエンゲージメント高く働けています。 特にこのチームは定量的な目標すら自分たちで見つけ出し、価値に繋げていく必要があるので、各自が当事者意識を持ち、自走できることが大事です。
意識して進めたことは以下の4つです。
1. 自分がこのチームで目指したいことを個人で発表する。
これにより、その人が目指すことや、価値観をしることができるので、 この人に相談してみようと思い出せる機会が増やせます。
2. 全メンバーで相互の期待値の共有をする
各個人の目指したいことを知った上で、お互いに期待していることを共有する。 また、逆に任せてほしいと思うことも共有する。 この相互の期待値を交換することによって、チーム内での協力体制が強まります。
3. オフラインも、オンラインも、コミュニケーションのかたちを大切にする
オフラインで顔を合わせて体験を共有するもよし、 オンラインでゲームをするもより、 どちらが良いとかではなく、どちらもやる。 この交流をすることで、確実にチーム内のコミュニケーションがスムーズになるスピードが速かったです。
特に、キャンプ・オンラインゲームというような体験を共有することで、心理的安全性も大きく高まったと思っています。 また、会社の近くにくることが可能なメンバーと毎週金曜日に出社デーにしよう!という約束をしてランチタイム含め顔をあわせるようにしています。 交流の量や質は、チームづくりに置いて非常に大切なポイントだと感じています。
4. 振り返りの時間も大切にできるようにセッティングする
Wevoxチームでは、各チームのエンゲージメントスコアを月に一度チームでの振り返りに使っています。振り返りの方法は各チームに任されており、やりかたはチームそれぞれですが、圧倒的な盛り上がりを見せています。真剣に話をする傍ら、感情あふれるスタンプやコメントをする文化が醸成されており、みんなが楽しみながら振り返りできていることが、毎月とても大きい収穫となっています。
5. 柔軟に変化する
GrowthHackersは、主に他チームと兼任しているメンバーが多く、ミーティングの時間を合わせることがなかなか難しく、どうしたらもう少しこのチームに時間を費やしてもらうことができるんだろう?と、考える時間が多かったです。 この問題に対して、先の予定をブロックしておくということは大前提として大切だと捉えています。 また、今週やりとげたいことが、使える時間があふれてしまう場合は、一人で抱え込まず、人に任せるということを全員で推奨しています。 また、もっと各チームとのハブになったほうがバリューが出せるのではないか?と感じたのなら、そうチームも変化していけばいいと考えています。
他にも紹介しきれないくらいの小さな工夫を詰んでいますが、なによりも「わたしたちは何をすべきか」ということにこだわり、必要があれば変化する、そしてお互いにそれを許容しあえる関係性づくりが大事だと、改めて感じているところです。
自分が納得できるまで、熱意をもって変えていこう
最近はプロジェクトマネジメントを担うメンバーも増えてきたアトラエ。 ですがアトラエに取ってジョブはただの役割に過ぎないのです。
一番大切なことは、「仲間と共に世界中の人々へ向けて価値を生み出し、それにより組織は強くなる」こと。 最大限の知恵や方法の中からベストを見つけて、結果に繋げていこうという考え方で全てのチームが努めています。
そのためには思っていることをお互いに開示しあえる関係性、任せられる関係性が重要です。
納期・スピード感・約束したことを守る視点だけでなく、 「これで本当に使ってもらった人はハッピーになれるのか?」を考える選択肢だって必要なときがあります。 一緒にプロダクトを成長させていくこと、そしてユーザーにフィットさせていくことは、本当にやりがいのある仕事です。 チームはそういう積み重ねで出来上がっていくもので、決してテクニックでは生れません。
そもそもの思想には、「自らがアトラエの当事者」というコアがあります。 だからこそ、「何をすればいいのか」すら、自分たちで決める。 ここが自律分散型組織の難しさでもあります。
とにかく、人に寄りかかったり、すがったりしながら成果が出せない組織なのです。 その代わり、誰よりも信念を持ち、世の中に価値を出すんだと働いた人は、やはり応援されますし、そういう人のいるチームは活力が漲っていく。 チームは創るのではなく、熱意を持って集まったチームは、ほっておいてもチームになるのです。
もちろん、プロジェクトの指針や目標はある。 でも、その指針や目標に納得感がないのであれば、課題感を持った人が勝手にそれを変えていい。 それがアトラエの将来につながりますし、そのための裁量も十分にあります。 だからこそチームで最大の成果を出して、組織をより強く盛り上げていくことに全力投球できる。 それがアトラエの働き方です。
さいごに
今日は今までの経験で考えた「強いチームになるためのエッセンス」についてまとめてみました。このブログを読まれたかたで、アトラエのメンバーになることに興味を持ってくださった方がいたら、ぜひ、以下リンクをご覧ください。 良い仲間と、良いプロダクトを創る、アトラエのメンバーを募集しています! よろしくおねがいします!